「デザインは良いのに読まれない」の隠れた原因
コンテンツの質やデザインにこだわっているのに成果が出ない場合、意外な盲点になっているのが表示速度です。表示が遅いサイトは、玄関のドアが重くて開けにくい店のようなもので、どれだけ店内が魅力的でも、そこにたどり着く前に多くの人が引き返してしまいます。
図解
表示速度が遅いときの切り分け
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画像・動画
大きさ、形式、遅延読み込み -
コード
不要なCSS・JavaScript・外部タグ -
表示設計
最初に必要な内容の優先順位 -
サーバー
応答、キャッシュ、配信環境
画像だけに決めつけず、ページ・コード・サーバーを順に確認する。
表示速度の問題は、パソコンの高速回線で確認しているだけでは気づきにくいという特徴もあります。実際の顧客の多くはスマートフォンの外出先の回線でアクセスしており、体感速度はまったく違うものになっています。
制作会社に依頼したサイトであっても、公開後に追加した画像やプラグインの積み重ねで、気づかないうちに表示速度が悪化していくことがあります。公開時は問題なくても、運用を続ける中で定期的な点検が必要です。
表示速度が離脱・CVRに与える影響
データを見ると、その影響の大きさがよく分かります。操作を開始できるまで3秒かかるサイトは、1秒のサイトに比べてコンバージョン率が38%低下するという調査結果があります。また、表示速度が100ミリ秒低下するごとにコンバージョン率が最大7.1%、1秒の低下で最大21.8%低下するというデータもあります(出典:Cloudflare、ideaman’s Blog)。離脱率についても、Googleの研究データによると、表示速度が1秒から3秒になるだけで離脱率が32%上昇し、1秒から6秒では106%上昇するとされています(出典:ガレーラ株式会社)。わずか数秒の差が、これほど大きく行動に影響するのです。
「うちのサイトはそこまで重くないはず」と思う方も多いのですが、実際に自分のスマートフォンの通信速度で開いてみると、想像以上に時間がかかっていることに気づくケースが少なくありません。
Core Web Vitalsの基本
Googleは、表示速度や操作性を評価する指標としてCore Web Vitalsを公開しています。代表的な指標は、最大コンテンツの表示速度を示すLCP(2.5秒以内が目標)、クリックなどの操作への反応速度を示すINP(200ミリ秒以内が目標)、レイアウトのガタつきを示すCLS(0.1以下が目標)の3つです。これらはSEO評価にも影響するため、集客の観点からも軽視できません。
今日からできる改善策
大掛かりな改修をしなくても、次の対応だけで速度が改善することがあります。画像はできるだけ圧縮し、WebPなどの軽量形式に変換する。使っていないプラグインやスクリプトを削除する。フォントの読み込みを最小限にする。これらは専門知識がなくても、制作会社に依頼すれば比較的短期間で対応可能です。
特に画像は、圧縮せずにそのままアップロードされているケースが非常に多く、ここを見直すだけで表示速度が大きく改善することも珍しくありません。
計測方法
まずは無料の計測ツールで、自社サイトの現状スコアを確認することから始めてください。数値化することで、改善前後の効果も客観的に比較できるようになります。
継続的な点検の必要性
表示速度は一度改善して終わりではありません。新しい画像を追加したり、機能を増やしたりするたびに、再び重くなっていく可能性があります。半年に一度程度、計測ツールで現状のスコアを確認する習慣をつけておくことで、気づかないうちに悪化する事態を防げます。
制作会社選びでも速度への意識を確認する
新しくサイトを制作・リニューアルする際は、依頼先の制作会社が表示速度をどれだけ意識しているかも確認しておくとよいでしょう。見た目の美しさばかりを追求し、画像や装飾を多用した結果、表示速度が犠牲になるケースは少なくありません。デザインと速度の両立を、発注段階から要望として伝えておくことが望ましいです。
発注時の要件定義に「表示速度の目標値」を数値として盛り込んでおくと、制作会社との認識のズレを防げます。感覚的に「軽くしてほしい」と伝えるより、具体的な指標を共有した方が、双方にとって確認しやすくなります。
体感速度も意識する
数値上のスコアだけでなく、実際にユーザーがどう感じるかという体感速度も重要です。読み込み中に簡単なアニメーションを表示するなど、待たされている印象を和らげる工夫も、離脱を防ぐ一つの手段になります。数字と体感の両方を意識して改善に取り組んでください。
速度改善は他の施策の土台にもなる
表示速度の改善は、広告やコンテンツSEOなど他の集客施策の効果を底上げする土台にもなります。せっかく広告で人を集めても、遅いサイトでは離脱してしまい、施策全体の費用対効果が下がってしまいます。新しい施策に取り組む前に、まず土台となる速度を整えておくことが、遠回りに見えて最も効率的な進め方です。
サーバー・画像以外に見落とされがちな原因
表示速度の改善というと画像圧縮ばかりに目が向きがちですが、実はサーバーの性能そのものが原因になっているケースも少なくありません。格安の共用サーバーでは、同じサーバーを利用する他サイトのアクセス集中が自社サイトの速度にも影響することがあります。あるECサイトは、画像や装飾を見直しても速度が改善せず、最終的にサーバーのプランを見直したところ、表示速度が大きく改善しました。原因を画像や装飾だけに絞り込まず、サーバー環境まで含めて点検する視点も持っておくとよいでしょう。
改善の優先順位に迷ったら
表示速度の改善項目は複数ありますが、すべてに同時に手をつける必要はありません。まずは計測ツールが指摘する「影響が大きい」項目から優先的に着手し、効果を確認しながら次の項目に進む方が、限られた時間の中でも着実に成果を積み上げられます。一度にすべてを完璧にしようとせず、優先順位をつけて一つずつ潰していく姿勢が結果的に近道になります。
専門知識がなくても第一歩は踏み出せる
表示速度の改善と聞くと専門的で難しく感じるかもしれませんが、まずは無料の計測ツールでスコアを確認するだけなら誰でもできます。数値を見て「思ったより悪い」と分かるだけでも、次に誰へ相談すべきかの判断材料になります。難しく捉えすぎず、まず現状を数字で把握するところから始めてみてください。
まとめ
表示速度は、地味に見えて成果に直結する要素です。デザインやコンテンツに投資する前に、まず表示速度に問題がないかを確認してみてください。